世界の街の薬屋さん
フランスの薬屋さんでは、薬は基本的にカウンターの後ろに置いてあるため、薬剤師さんと相談して薬を購入するスタイルが一般的です。
フランスでは、医薬品は薬局でしか取り扱うことができません。薬局では、店主である主任薬剤師(pharmacien titulaire)の元、補助薬剤師(pharmacien adjoint)らが働いています。
フランスで薬剤師になるためには、大学の薬学部で6年間のカリキュラムを修了し、薬学博士国家免状を取得する必要があります。カリキュラムには、単位取得のみならず、調剤薬局での実習等が含まれています。4年目に履修コースの専門分野を決め、5年目は大学病院で有給の研修を受けます。6年間のカリキュラムを終えた後、論文を提出し審査に合格すれば、薬学博士国家免状取得となります。
フランスでは、数年前(2012年時点)に年中無休・24時間営業の薬局が初めて開店して話題となりましたが、ほとんどの薬局の営業時間は、夜の7、8時ぐらいまでで、日曜日と祝祭日はお休みです。そのため、休日や夜間に薬が緊急に必要になった場合は、ファルマシ・ドゥ・ガルド(pharmacie de garde)という、地区内の当番制で開いている薬局に行きます。各薬局の入り口には当番を表示することが義務付けられており、市の広報誌等にも掲示されています。
フランスの医薬品の区分は大きく二つに分かれています。薬の受け取りに処方せんが不可欠となる「処方せん医薬品」のPMO(Presctiption Medicale Obligatoire)と、処方せんが任意である「処方せん任意医薬品」のPMF(Prescription Medicale Facultative)です。PMFは、処方せんがあれば医療保険で払い戻しをすることができます。また、その払い戻し率は、薬によって異なっており、パッケージの箱に張ってあるシール(vignette)の色によって、示されています。白いシールに線の印がついている薬は100%の償還率で購入額の全額が払い戻しされます。白いシールのみの場合は65%、青いシールは30%、オレンジのシールは15%の償還率となっています。なお、医療保険償還率0%のPMFは、PMF-NRと呼ばれています。
また、フランスでは薬の広告をすることができませんが、PMF-NRの一部は、認可をとれば広告をすることが可能です。
リールは、ベルギーと国境を接する北フランスノール県の県庁所在地です。パリまでTGV(フランスの高速列車)で60分、ユーロスター(イギリスとヨーロッパ大陸を結ぶ国際列車)でベルギーのブリュッセルまで35分、イギリスのロンドンまでは80分のところに位置しています。リール市を中心に87の地方自治体から成るリール広域都市圏には、100万人以上が居住しています。
2004年にリールは、欧州文化首都の一つに選ばれ「芸術と歴史の街」の称号を得ました。この活動は「リール3000」として継続され、2006年、2009年と文化イベントが開催されています(直近では、「ファンタスティック」をテーマに2012年10月〜2013年1月まで開催)。
また、毎年9月の第一週末には、古い歴史を持つヨーロッパ最大級の蚤の市Braderie de Lille(ブラッドリ・ドゥ・リール)が開かれ、約200万人もの人が訪れます。各レストランではMoules-Fritesムール・フリット(ムール貝の蒸し煮のフライドポテト添え)が供され、消費されたムール貝でどこが一番高い山を作れるか競うのが恒例となっています。
Croix verte(クロワ ヴェルトゥ)という緑の十字マークが一般的に、使われています。元々赤い十字が薬屋のマークとして使用されていましたが、1864年のジュネーヴ条約により、赤い十字が国際組織の標章として採用されたことにより、緑十字にとってかわっていきました。また、ギリシャ神話の健康をつかさどる女神にも由来する「ヒュギエイアの杯」も使用されています。
フランスの薬局は、建物の一階部分が店舗となっていることが多く、ウィンドウディスプレイに凝っている印象があります。夏はクリームやサプリメントなどの日焼け関連製品が並べられており、冬は風邪薬の広告ディスプレイが登場したりしています。店内には、商品棚に、化粧品、健康食品、デンタルケア用品、粉ミルク、介護用品等が並べられています。店の奥にはカウンターがあり、薬はこのカウンターの後ろに置いてあります。
2008年の法改正により、PMF-NR(処方せん任意医薬品で、医療保険償還率0%のもの)のうち一部の医薬品に限り、顧客が直接手に取ることができるようになりました(薬剤師の目が届きやすい場所)。しかし、この販売方式はまだ一般に浸透しておらず、これまで通り、カウンター越しに薬剤師に相談しながら購入するスタイルが、フランスでは一般的です。処方せんが不可欠な医薬品は、カウンターの奥に保管されているため、処方せんを渡すとお店の人が探しにいきます。
店内は時間帯によっては列ができるほど混むこともありますが、子どもを連れたお客さんのために、店の一角には小さいテーブルが置かれ、お絵描きセットやおもちゃが用意されたりしているところもあります。
フランスでは、かかりつけ医にかかるためには予約が必要で、すぐに診てもらうことが難しい場合があるため、症状が軽い場合には処方せんが必要ない薬を購入し、症状が長引いて改善されない場合は、病院に行ったりします。また、処方せんの有無=自己負担額の違いとなるため、負担額が気になる人は、医者に行って処方せんをもらう傾向があります。薬によって償還率に違いがあるため、多くの人は自己負担額の違いを意識しているのではないかと思います。
薬箱の形態は特に決まっていませんが、服用しやすいように、食器棚の引き出しや、洗面台近くの棚「アルモワール・ドゥ・ファルマシ(armoire de pharmacie)」という壁に掛けた鍵付きの小さなキャビネットに薬を保管している家庭もあります。また、薬の使用頻度により置き場を決めることもあり、私の家では、毎日服用するものは飲み忘れのないように食卓に置き、比較的よく使う薬は台所に、あまり使わない薬は浴室に保管したりしています。
フランスでは、16歳以上の人に「かかりつけ医」を選ぶことが義務づけられています。しかし、「かかりつけ薬局」には登録の制度はなく、ICチップ付きの保険証(Carte vitale カルト ヴィタル)と処方せんがあればどこの薬局でも対応してもらえます。しかし、実際には自宅近くの顔なじみの薬局を行きつけの薬局としている人が多いと思われます。
フランスで実施されたあるアンケートによると8割以上の人が「薬剤師とはヘルスケアーのアドバイザーである」と答えており、単に薬を売るだけではなく、健康管理のためのアドバイスをもらう相手として広く認知されているのではないかと推測されます。
なお、2012年3月にフランス厚生省は「お薬-いい加減に服用しない」という薬の正しい服用を啓発するキャンペーンを実施しています。
「処方せん医薬品」も「処方せん任意医薬品」も、箱入りで販売されています。そのため、例えばある薬を「1日1錠7日服用」と処方された場合でも、10錠入りの箱しかない時は、1箱をもらうこととなります。
残念...。もう一度挑戦してみよう!
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フランス料理には、肉類やチーズなどの高脂肪食品が多く含まれますが、それにもかかわらずフランスは長寿国のひとつで心臓疾患率が低いと言われており、「フレンチパラドックス」と呼ばれています。これは、食事の際に飲む赤ワインに鍵があるといわれています。
植物を用いたヘルスケアという意味で、ハーブも含まれます。中でもラベンダーは産地の南仏に限らず、広く用いられている印象があります。
用途も様々で、アロマテラピーとしてリラックス効果のためにエッセンシャルオイルを使用したりしています。
ラム酒のお湯割りで、そこにレモン汁、砂糖(はちみつ)を加えて飲むと、体がぽかぽかしてきます。
体が冷めないうちに寝たりします。日本の卵酒のようなものかもしれません。
国名: |
フランス共和国 |
面積: | 54万4,000平方キロメートル(日本の約1.4倍) |
人口: | 6,500万人 (2012年1月1日暫定値、仏国立統計経済研究所) |
首都: | パリ |
首語: | フランス語(公用語) |
(2)Où se trouve l' hôpital le plus proche? ...意味:「病院はどこにありますか?」/ 発音:「ウ ス トルーヴ ロピタル ル プリュ プロッシュ」
(3)Voulez-vous appeler une ambulance, s'il vous plaît? ...意味:「救急車を呼んでもらえますか?」/ 発音:「ヴレヴ アプレ ユーヌ アンビュランス シルヴプレ」