世界の街の薬屋さん
ブラジルの薬屋さんでは、店頭に体重計が置いてあることが多く、薬屋さんのシンボル的な存在となっています。
医薬品を販売している店舗には、「Farmacia(ファルマシア)」と「Drogaria(ドロガリア)」があります。パッケージ化されている医薬品は、処方箋が必要なものもそうでないものもどちらの薬屋さんでも購入することができますが、処方箋を元にその場で薬剤師が調剤する薬は、ファルマシアでのみ購入することができます。どちらの薬屋さんでも、営業時間中は少なくともひとりの薬剤師が責任者として店にいなければならないことになっています。
薬剤師になるためには、5年程度の大学教育が必要です。化学、生物学、生化学、免疫学などの単位を取得し、研修期間を修了する必要があります。
ブラジルでは、医薬分業になっているため、医師の処方に基づく処方薬もすべて薬局で購入することになります。薬はパッケージに表示されている帯の色や文言によって処方箋の有無等が区分されています。
帯がついていない薬は、自由な販売が許可されているOTC医薬品で、処方箋は必要ありません。これらの薬は、かぜや消化不良等のように、軽微な症状向けの医薬品が含まれています。帯があるパッケージの薬は、その色にかかわらずに、処方箋が必要となります。「赤帯」は、処方箋を「提示して」購入できるものと、処方箋と「引き換え」に購入できるものがあります。「黒帯」は、特別な青い処方箋との引き換えが必要であり、鎮静剤や向精神剤が対象となっています。「黄帯」の薬は、ジェネリックの医薬品であり、黄色ラインの中に青字で「G」が大きく記載されています。この「黄帯」は、「赤帯」または「黒帯」と組み合わせて表示されます。
ブラジルというと、アマゾン河流域やパンタナル(世界最大の大湿地帯、世界遺産に登録)等の自然や、インディオやカーニバルといったイメージが強いですが、サンパウロ市があるサンパウロ州は人口4,000万人以上(ブラジル人口の20%以上)の近代的な大都市です。ブラジルの工業製品の半分近くは、このサンパウロ州で生産されています。
100年以上にわたり、ヨーロッパ、アジア、アフリカなどから移民がやってきたこの街は、様々な文化や習慣、言語が入り混じり共存しています。サンパウロ州には、ブラジルに住む日系人のうち約100万人が在住しています。サンパウロ市内中心部に位置するリベルダージ地区には、日本雑貨・食品の店が立ち並び、独特の雰囲気を醸し出しています。
薬屋さんの看板としては特に決まったものはなく、ファルマシアもドロガリアも、十字をモチーフにしたシンボルが使われていたり、店独自のマークが使われていたりします。
ファルマシアとドロガリアのどちらのタイプの店でも、医薬品の他に化粧品や日用品、おむつなどが販売されていますが、店の奥にカウンターがあり、医薬品は基本的にこのカウンターの奥に陳列されています。
大手の全国チェーンのなかには、深夜12時までの営業や24時間営業を行っているところもあります。通常の商店は土日、祭日には閉まってしまうため、深夜や週末(週末は当番制で交代でお店を開けている)に開いている薬屋さんは便利な存在でもあります。ショッピングセンターの一角などにあるお店の外観は、正面をガラス張りにしたものが多くみられます。
興味深いのは、ファルマシアでもドロガリアでもほとんどの薬屋さんの店先に「体重計」が置かれていることです。通りすがりの人は靴を履いたまま、気軽に体重計にのり、体重を測っていきます。店先の体重計は、ブラジルでの薬屋さんのトレードマークともいえるかもしれません。自宅に体重計をもたないブラジル人が多いのではないかと思います。
ブラジルには、SUS(Sistema Unico de Saude:統一保健医療システム)という公的な制度があります。このシステムにより公立の病院などでは、薬代以外は無料で医療サービスを受けることができます。しかし、公立の病院で無料診察を受けようとすると、診察までに時間がかかることも少なくありません。また、公立以外の医療機関にかかろうと思うと、費用がかかります。そのため、OTC医薬品は、処方箋を得るための手間や費用がかからずに、手軽に医薬品を得るための手段として捉えられているのではないかと思います。
ブラジルの一般家庭では、戸棚や本棚の片隅、食器棚の引き出しの中に薬を入れてあることが多く、決まった置き場所があるわけではありません。
私の家では、一見工具箱のようにも見える白いプラスチック製の薬の箱を利用しています。この薬箱は最近DIYショップで見つけて購入したもので、それまでは戸棚の中に置いていました。
ブラジルでは、無料で誰でも診察してもらえる公営診療所が各地区にありますが、公営診療所にかかるためには待ち時間も長く、公営でない医療機関にかかるには診察料がかかるため、費用の面から「セルフメディケーション」を選ぶ人も多くいると推測されます。
なお、ブラジル保健省では、医薬品の正しい使い方を推奨するために、「Uso Racional de Madicamentos(医薬品の理性的な使用)」という運動を展開しています。
処方箋が必要でない、帯のはいっていないOTC医薬品は、小分けにして売られることがあるようです。
残念...。もう一度挑戦してみよう!
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風邪のひきはじめに、根菜をたくさん入れたニンニク風味の鶏のスープを飲みます。
濃く入れたコーヒーにレモン汁をいれたものを飲んだりします。清涼感を味わう飲み物として飲みますが、痰がからむ時にも飲んだりするようです。
喉が腫れている時は、アイスクリームや氷の入った冷たい飲み物などは避けることが多いです。
国名: |
ブラジル連邦共和国 |
面積: | 851.2万平方キロメートル(日本の約22.5倍) |
人口: | 約1億9,100万人(2010年、伯国勢調査) |
首都: | ブラジリア |
首語: | ポルトガル語(公用語) |
(1)Pode chamar uma ambulância? ...意味:「救急車を呼んでもらえますか?」/ 発音:「ポジ シャマール ウマ アンブランシア?」
(3)Onde fica um hospital ? ....意味:「病院はどこにありますか?」/ 発音:「オンジ フィーカ ウン オスピタウ?」