症状・疾患を知ろう
鼻やのどの調子がなんだかおかしい...。風邪は、日々の予防はもちろん、引きはじめの対処が肝心です。
風邪(かぜ)とは、風邪症候群とも呼ばれる感染症の一種で、鼻やのどに起きる急性の炎症です。風邪を引く原因のほとんどは、ウイルス。このウイルスが、鼻やのどの粘膜に付着(感染)し増殖すると、免疫が活発になり、その働きが組織の炎症を起こして風邪の症状が現れるようになります。
風邪の一般的な初期症状は、まず鼻やのどの不快感などの呼吸器症状からはじまります。鼻の粘膜で炎症が起きると、くしゃみや鼻水、鼻づまりの症状が現れ、のどの粘膜で炎症が起きると、せきやたん、のどの痛みの症状が現れます。
さらに症状が進むと、発熱や寒気、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状に至ることもあります。但し、その症状は、誰もが同じように現れるのではなく、個人の体力や体調などによってさまざまです。また、インフルエンザも風邪症候群のひとつといわれますが、急な高熱や関節痛、筋肉痛などの全身症状を伴い、重い病気を合併しやすい点など、風邪とは異なる特徴があります。
鼻やのどからなる呼吸器には、ウイルスなどに対する防御機能があります。しかし、なんらかの原因で防御機能が低下すると、ウイルスなどに感染しやすくなり、風邪を引きやすくなります。とくに空気が乾燥する冬は、鼻やのどの粘膜が乾燥してウイルスなどに感染しやすく、また増殖もしやすいのです。一方、夏場でも、冷房で体が冷えると、血液の循環が悪くなり、身体の防御機能が低下して夏風邪にかかることがあります。また、疲れやストレス、栄養不足などで体力が落ちているときも、季節にかかわらず風邪を引きやすくなります。
ウイルスなどに対する防御機能を保つためには、日々の健康管理と、予防のためのこまめなケアが必要です。
それでも風邪を引いてしまったら、症状に合った風邪薬を服用し、栄養バランスの取れた消化の良い食事を摂り、ゆっくりと身体を休めましょう。部屋は温かくするだけでなく、加湿器や濡れタオルなどを使って部屋の乾燥を防ぐことも大切です。また、熱が高いときは脱水症状を起こしやすくなるので、こまめに水分を補給するようにしましょう。さらに、風邪の引きはじめから治りかけまで、周りの人にうつさない配慮も必要です。くしゃみやせきにはウイルスが含まれているため、外出時は感染防止のためにマスクを装着し、できるだけ人ごみを避けるよう心がけましょう。
風邪薬に含まれる成分はさまざまです。風邪薬に含まれる成分が、どのように作用するのか確認してみましょう。
風邪薬に含まれる主な成分 | 作用 |
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・イブプロフェン ・サリチルアミド |
発熱、頭痛などの痛み、のどの腫れなどの炎症の原因となる物質の生成を抑え効果を発揮。 |
・アセトアミノフェン | 発熱、頭痛などの痛みに効果を発揮。 |
・クロルフェニラミンマレイン酸塩 ・ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
くしゃみ・鼻水などの原因となるヒスタミンを抑え 効果を発揮。 |
・ヨウ化イソプロパミド ・ベラドンナ総アルカロイド |
鼻水の原因となる神経に作用し鼻水に効果を発揮。 |
・ジヒドロコデインリン酸塩 | 咳を出す咳中枢に作用し、咳に効果を発揮。 |
・メチルエフェドリン塩酸塩 | 気管支を拡張し、咳に効果を発揮。 |
・アンブロキソール塩酸塩 | 気道のすべりを良くすることで、たんの排出を促進。 たんを取り除いて、つらい咳に効果を発揮。 |