シーン別の乗物酔い予防法
乗物酔いを防ぐポイント
酔わないために、乗物に乗る前、乗っている時にできる予防法を紹介します。
乗物に乗る前にできる予防法
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- 十分に睡眠をとる
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乗物に乗る前夜は十分に睡眠をとり、寝不足にならないようにする。
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- 消化によい物を食べる
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空腹や食べ過ぎを避け、消化によい食べ物を適度に食べて胃腸の調子を整えるようにする。
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- 乗物酔いの薬をあらかじめ服用する
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乗物酔いの薬は、あらかじめ乗物に乗る30分前の服用が効果的です。
乗物に乗っている時にできる予防法
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- 揺れの少ない場所に座る
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乗物の座席はなるべく揺れの少ない場所を選び、姿勢をラクにしてゆったりと座るようにする。
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- 頭が揺れないようにする
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あごを引いて頭を揺らさないようにすることで、内耳に入っているリンパ液の動きを最小限に抑えられ酔いを防ぐことができます。
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- 進行方向を見るようにする
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乗物の動きを予測することも乗物酔いの予防に役立ちます。
進行方向が見えない場合には、遠くの景色を眺めるようにしましょう。乗物の動きに合わせて、体を傾けるなど目と耳と筋肉の動きできるだけ一致させるのも効果的です。
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- 乗物への不安やストレスを和らげる
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窓から遠くの景色を眺めたり、好きな音楽を聴いたり、おしゃべりを楽しんだりしてリラックスすることで、乗物酔いの予防につながります。
乗物に乗っている時の読書やゲーム機などの使用は、乗物酔いを引き起こす要因となることがあります。
乗物別の酔いを防ぐ方法
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- 車
- 進行方向が見えやすい助手席に座る。
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- バス
- タイヤの上など揺れの大きい席は避け、進行方向が見えやすい席に座る。
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- 船
- 船の中央など、揺れの小さい席に座る。
波ではなく遠くを眺める。島や水平線など動かないものを見る。
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- 電車
- 進行方向を向いて座る。景色が見えやすい場所に座って、遠くを眺められるようにする。
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- 飛行機
- 景色の見えない翼部分や揺れの大きい席は避ける。
乗物酔いしづらい席選びや搭乗中の動作などを心がけることで、乗物酔いを予防していきましょう。
コラム 3Dのゲームや映画が引き起こす画面酔い
3DやVRのゲーム、映画などの人気が高まるにつれ、乗物酔いとよく似た画面酔い(ゲーム酔い・3D酔い)が報告されるようになってきました。画面を見ているうちに、めまいや吐き気など乗物酔いとよく似た症状を引き起こします。原因は、目から(画面)の情報と内耳からの情報(三半規管や耳石器からの揺れや回転、加減速などの情報)、体からの情報が日常と違うことで脳が混乱し自律神経が乱れることによって生じます。例えば、ゲームで急激に加速や曲がるといった(目からの)情報なのに、耳や体は、加速を感じない、体が傾いていないといった仮想空間の情報と現実の自分の内耳や体からの情報で脳が混乱することによります。
以前は、映像や動画から来る乗物酔い(動揺病)と同じような体調不良は、(身体が基本動かず視覚のみなので)乗物酔いとは違うメカニズムではないかと言われていました。乗物酔いが、乗物による連続した揺れや加速減速によって、耳の内耳部分にある三半規管や耳石器がオーバーワークとなり体の平衡感覚を乱し「めまい」などの「乗物酔い」が発症すると考えられていたためです(内耳異常説)。しかし近年は「感覚混乱説」と呼び、内耳だけではなく、眼からの視覚情報や体からのトータルの感覚情報が、今までに記憶された感覚情報と違うことで脳が混乱し、うまく適応できない場合に自律神経が乱れるという考えが出てきました。このような考えから「画面酔い」等も実際に乗物になっていなくても「乗物酔い(動揺病)」のひとつと言われています。