乗物酔いしやすい人とは?
乗物酔いしやすい人の特徴
年齢とともに乗物に乗る体験を重ねることで、通常は脳が乗物のスピードや揺れに慣れ、乗物酔いを起こさなくなっていきます。しかしながら、乗物に乗り慣れていない人は、大人になっても乗物酔いしやすくなります。
乗物への不安が強い人や精神的なストレスを抱えている人も乗物酔いしやすい人といえます。
乗物に酔いやすい年齢
乗物酔いは、一般的に小学校入学頃から見られるようになり、高学年になるほど増える傾向にあります。
小学校高学年から中学生で多く見られるようになり、成人になると少なくなると言われていますが、成人でも乗物酔いに悩む人は少なくありません。
乗物酔いしやすい子供
三半規管や脳の働きが未発達な2歳頃までの乳幼児では、乗物酔いを生じないといわれていますが、次第に酔いやすい子供と酔わない子供の差が出てきます。
脳の情報処理能力を始め、子供一人ひとりが持つ体質が影響します。また、起立性調節障害の子供は乗物酔いしやすいといわれています。
コラム紀元前から乗物酔いは存在していた
紀元前4世紀、西洋医学の元祖と呼ばれるヒポクラテスが既に「(船)酔い」について語っていたというエピソードが残っているように、人と乗物酔いの間には長い歴史があります。
次々と人類史上に乗物が登場する中、乗物酔いは人と切っても切れない関係にあると言ってもよいでしょう。遠足に参加できない、家族と旅行に行けないなど、乗物酔いは本人にとって日常生活にも支障をきたすつらい症状であるにも関わらず、周りには深刻さが伝わりづらいという側面もあります。乗物酔いの原因やメカニズム、予防法などを知ることで、乗物酔いと上手に向き合い、克服していきましょう。
富山大学医学部 耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座 教授
富山医薬大卒。2012年9月から現職。日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本めまい平衡医学会専門会員、日本めまい平衡医学会めまい相談医。
【所属学会】Barany Society、日本耳鼻咽喉科学会、日本めまい平衡医学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本臨床神経生理学会、日本自律神経学会