乗物酔いの原因とは?
乗物酔いとは?
乗物酔いは、「動揺病」とも呼ばれ、車やバス、電車、船など乗物の揺れ、不規則な加速・減速の反復が受ける内耳(三半規管や耳石器)からの情報と目からの情報、体からの情報を受けた脳が混乱することによって起こる自律神経系の病的反応で、めまいや吐き気・嘔吐などの症状があらわれます。また嗅覚からの不快感やストレス・不安などの精神的因子も乗物酔いに関与していると言われています。
乗物によって、車酔い、船酔い、空酔いとも言われ、遊園地やテーマパークのアトラクションなどでも乗物酔いを引き起こすことが知られています。
乗物酔いを引き起こす要因
- 疲れや睡眠不足などの体調不良
- 乗物内のよどんだ空気
- 不快に感じられる温度・湿度
- ガソリンなどの不快なにおい
また、乗物に乗っている最中のゲームや読書なども、内耳からの情報と視覚情報に不一致を生じさせるため、乗物酔いを引き起こす要因となることがあります。
コラム 乗物酔いではなく病気の可能性も?
体調不良や寝不足などの状況によって生じる一時的な乗物酔いではそれほど心配する必要はありませんが、急に乗物酔いをするようになったり、頻繁に乗物酔いを繰り返したり、大人になっても続いたりする場合には、耳や脳に関係する別の病気が潜んでいることもあるため、注意が必要です。
症状がひどい場合には医療機関を受診して、適切な診断と治療を受けることを考えましょう。
監修/將積 日出夫(しょうじゃく ひでお)先生
富山大学医学部 耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座 教授
富山医薬大卒。2012年9月から現職。日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本めまい平衡医学会専門会員、日本めまい平衡医学会めまい相談医。
【所属学会】Barany Society、日本耳鼻咽喉科学会、日本めまい平衡医学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本臨床神経生理学会、日本自律神経学会
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