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アレルギー性鼻炎の
豆知識
2016年の調査*で都民の2人に1人がスギ花粉症という結果でした。都会で花粉症患者が増えている原因のひとつが、PM2.5や黄砂の表面に付着する有害な大気汚染物質や菌、ディーゼル粉塵などのアジュバント物質です。アジュバント物質とは単独ではアレルゲンにはなりませんが、花粉などのアレルゲンに付着し、一緒に吸い込むとアレルギー症状を悪化させる物質のことを指します。最近ではアレルゲンとして有名なスギ花粉も、アジュバント物質の役割を果たすことがわかっています。暮らしを見渡すと、アジュバント物質とアレルゲンは身近に混在しているので、症状を悪化させないために普段からしっかりと対策を行うことが大切です。
東京都福祉保健局 花粉症患者実態調査報告書(平成28年度)
アレルギー性鼻炎が悪化する原因の一つとして、黄砂やPM2.5が影響していると言われています。偏西風によって黄砂やPM2.5が飛来拡散する時期は春の花粉症の時期と重なることが多いので、注意と対策が必要です。
黄砂とは、東アジアの砂漠や乾燥地域の砂や塵が強風によって巻き上げられ、偏西風によって日本に飛来した土壌・鉱物粒子のことです。
これまで黄砂は西日本だけで確認されていましたが、最近ではその観測範囲が東日本や北日本、北海道と日本全国に広がっています。
黄砂は鉱物の粒子であり、それ自体はアレルギーを発症するものではありませんが、日本に飛来する過程でアレルギー性鼻炎の症状を引き起こす大気汚染物質や菌が付着することで、その付着した成分や飛来量の影響によって、アレルギー性鼻炎の症状を悪化させたり、他の症状を伴うなどの可能性があります。 黄砂が飛来する時期は、花粉の飛散時期の後半(3~5月)と重なるため、特に注意が必要です。
〈イメージ図〉
PM2.5の大きさは、髪の毛の太さの約30分の1、花粉の約12分の1、ホコリの約4分の1です。
大気中の浮遊粒子のうち、直径2.5μm(マイクロメートル。大きさはイメージ図を参照)以下の非常に小さなものをPM2.5と呼んでいます。このPM2.5には、黄砂由来の粒子や大気汚染物質由来の粒子も含まれていると言われています。
黄砂が多く飛んでいる日は、PM2.5の濃度も上昇するという観測結果もあります。さらに、粒子が非常に小さいことから肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、アレルギー性鼻炎や結膜炎との関係性も示唆されています。
外出する場合は、吸い込む量を減少させるためマスクを着用し、帰宅後は手洗いやうがいを徹底しましょう。室内では、換気や窓の開閉は最小限にして、空気清浄機を使ったり、洗濯物は室内に干すなど、部屋の中に入れないようにしましょう。眼鏡をかける、部屋に入る前に上着をはたく、ツルツルした素材の衣服を選ぶなども効果的です。
また、花粉・ハウスダスト等によりアレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)が出てしまったときは、アレルギー性鼻炎用の薬を飲んで症状を抑えましょう。
昼間はポカポカと暖かいのに、日が落ちると急に冷え込む季節の変わり目。急激な寒暖差によって起きるくしゃみや鼻水・鼻づまりなどの症状を寒暖差アレルギーといいます。アレルギーという名はついていますが、花粉症やハウスダストなど特定のアレルゲンによって引き起こされるものではありません。正式な病名は「血管運動性鼻炎」といいます。詳細はまだ明らかになっていませんが、自律神経の乱れが一因と考えられています。鼻の粘膜にある血管の収縮と拡張は自律神経によってコントロールされているので、寒暖差の刺激で自律神経のバランスが乱れると、その調節がうまくいかなくなって鼻炎などの症状が現れます。
寒暖差アレルギーによる鼻炎はアレルギー性鼻炎の発症メカニズムと異なるため、鼻炎薬が有効であるとはいえません。自律神経のバランスを整えることで症状の緩和が期待できます。
アレジオンの効能に寒暖差アレルギーは含まれません。
寒暖差アレルギーによる鼻炎 | アレルギー性鼻炎 | |
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鼻 水 の 状 態 |
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く し ゃ み |
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熱 |
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目 や 肌 の か ゆ み |
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体 の だ る さ |
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